撞点

キューで実際に手玉を撞く点の事を撞点といいます。この撞点をいかに正確に捉えるかが上達の鍵と言っても過言ではないでしょう。一般に撞点は9つのポイントで構成されると言われていますが、その中間部も存在しますから、無限という事もできます。上級者は普通中間部を4つに分けて全部で28以上の撞点を使い分けると言われています。プロになると90以上の撞点を使い分ける事が可能だそうです。
ここでは左右の撞点、いわゆる「ひねり」は解説しません。なぜなら「ひねり」は先球の進行に対して影響をほとんど及ぼさない為です。「ひねり」は中級者以上の使う手玉をコントロールするポジションプレーに必要なもので、最初からこれを覚えてしまうと上達の妨げになる場合が多いためです。
よく「右を撞くと先球が右に向かう」という会話を耳にしますが、確かにその通りです。しかし、これは狙った場所が左にずれる事で先球が右の進路に向かうのです。このことを「見越し」と呼びます。上級者が簡単に見える球を外す光景では、多くの場合「見越し」を計り違える事に原因があります。そのくらい左右の撞点を使うのは難しい事だと覚えておいてください。
では、上下の点はどうでしょう?これは先球に当たった後の手玉の動きに大きな影響を与えます。
「上を撞くと前に進み」「真ん中だと止まる」「下を撞くと戻って来る」と言うのはよく言われる事ですが果たして本当でしょうか?正解は違います。手玉は先球に当たった瞬間にすべて先球の移動方向と直角に進もうとします。その当たった瞬間に手玉がどのような回転をしているかによって、その後の手玉の動きが決定されるのです。正確には「順回転では先球の進行方向に直角に進んだ後に前に進む」「回転のしていない状態では先球の進行方向に直角に進む」「逆回転では先球の進行方向に直角に進んだ後に手前に進む」となるわけです。「手玉が止まるのはなぜ?」という疑問があるかもしれません。それは、先球の進行方向が手玉の進行方向と一致した時に(すなわち先球に正面から当たった時)手玉は直角に動こうとしますが、左右共に直角なために力が相殺されて止まるのです。これは物理のベクトルの考え方が摘要されます。

 左の図は撞点を表しています。黄色の点が練習のベースになる撞点です。赤点は真ん中と上下の限界点。青は中級者以上のプレーヤーが使うべき撞点です。

汎用化するために「10時の方向で3ひねり」というような表現を使うことがあります。

左右の撞点で3以上の回転は手玉の方向性をコントロールするのが難しくなるので中級者くらいまでは避けた方が無難です。

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