狙う場所

イマジナリーポイントによる狙い方
右の図にある1番ボールを1~7の各手玉の位置からポケットすることを考えて見ます。

この際の考え方のひとつとして1番ボールとポケットを結んだ直線(図では白い線です)の延長線上に1番ボールにピッタリと接したボールがあると仮定します。(図では半透明のボールです)

この想像したボールのことをイメージボールと呼びます。
イメージボールと1番ボールは同じ大きさの真球ですから接している点は1点しかないことになります。イメージボールに力が加われば接している方向にしか動くことが出来ません。すなわち、ポケットされるということです。
これは原則として手玉の位置に左右されません。すなわち、1~7のいずれの場所に手玉があったとしても狙う場所はイメージボールのある場所という事になる訳です。

もう少し細かく見てみるとイメージボールの中心点(図ではイメージボールの中の赤い点です)と手玉の中心点を結べば2点を結ぶ直線が出来上がります。
それぞれの1~7で赤いラインが示している線がその線です。
この線の上を手玉が転がり1番にヒットすれば1番はポケットされるはずです。
手玉を真っ直ぐに動かすことを考えると手玉の中心をイメージボールの中心点に向けて撞けば良いことが分かります。
この時のイメージボールの中心点のことをイマジナリーポイントと呼びます。

このイマジナリーポイントを正確に見つけて、そこに手玉を当てる技術があれば手玉の位置は関係なくかなりの確率でシュートすることが可能になります。


手玉から見たイメージボールのイメージ図

ただし、このイマジナリーポイントを正確に見つけるということと、手玉を正確に狙った場所に動かすには十分な練習が必要です。

しかしイマジナリーポイントは絶対ではありません。手玉と先球が当たった瞬間に先球が動き出してくれればイマジナリーポイントは絶対なのですが、ラシャにも手玉にも先球にも摩擦が生じます。当たってから実際に動き出すまで若干のズレが生じます。このことをスローと呼びます。上級はこのスローが起こることを前提に狙い点を経験で変化させより高い確率でポケットしています。

イマジナリーポイントに正確に当てさえすればポケット出来るというのはある意味幻想でしかありません。イマジナリーポイントに当たったにも関わらず外れることは理屈上いくらでもあります。あくまで狙う場所を見つけるための目安と考える方が良いでしょう。

パイプラインによる狙い方
ある程度ビリヤードに慣れてくると先玉がどのように走るかを想像することが出来るようになって来ます。この走る方向を元に狙い場所を推定する方法がパイプライン法と呼ばれる狙い方です。

右図は上からみた状態ですが、1番ボールがちょうどとおるパイプを想像しています。このパイプの中を1番が転がってくれれば見事にポケット出来るはずです。

実はこのパイプライン法では上から見るということを前提としていることは少ないようです。撞く視点から見た時にどのようにパイプが伸びているかを想像し、そのパイプの中を先玉を通すという感じがイメージに近いと思います。

この際に手玉もやはりパイプを通すことをイメージするようにすることが多いようです。

丁度、右図下段のような形を想像し、手玉がパイプの中を通れば1番ボールがポケットされると言うことになります。

これは手玉と先玉がそれぞれどのように走るかを最初にイメージしなけばいけないので、未経験者や初心者には難しい狙い方と言えます。(撞いた経験が少なければ手玉や先玉の移動方向というのが理解出来ませんからね)

中上級者には比較的多い狙い方のようで、自分の癖をある程度考慮した上でパイプラインを想像することが可能なのではまれば高い確率でポケットすることが可能です。


上から見たパイプラインイメージ

撞く視点から見たパイプラインイメージ
中上級者の撞くテンポが初級者に比べて速いことが多いのはイマジナリーポイントを探すのではなく、構えてからの手玉、先玉の動きを予測出来ているからだと思われます。

やはり繰り返しの練習の賜物ということでしょう。

複合的な狙い方
イマジナリーボールとパイプラインは競合しません。すなわち、イマジナリーボールを想定した上でパイプラインを採用するということも可能な訳です。

右図がそのイメージになりますが、どちらかでは確証が持てないときや両方のイメージを合わせることにより正確な狙い場所を特定するなどと言うときに用います。

もちろん、普段からこの複合方式で確実性を上げるようにして狙いを決めているプレーヤーも多く存在します。

結論
右図の3枚を見比べてください。1番に接しているのがイメージボールだとしてどれならポケットしそうですか?

上では薄過ぎますし、下では厚過ぎます。

真ん中が丁度良い厚みということになります。これだけ極端に置けばそれくらい判ると言う声が聞こえてきそうですが、実はこの感覚が大事なのです。

厚みはポケットしたことがあるという経験の積み重ねによって感覚を研ぎ澄ませて行くものだと思います。

前述したイマジナリーポイント法やパイプライン法ほかにも色々な狙い点の探し方はありますが、どれもあくまで目安でしかありません。

狙い点を明確にするにはとにかくたくさんポケットする経験を積むことです。それには難しい練習をする必要はありません。

自分でポケット出来ると思う配置を何度も何度も繰り返してその感覚を磨くことが必要です。

難しい配置というのはまだ技術が満たなくて難しいだけかもしれません。いつか技術力が上がればそれほど難しいと感じないかもしれません。

最初のうちは特にたくさんポケットすることが大事です。10球に1球しか入らない難しい配置の練習をしてもポケットするという経験値を積むには時間が掛かります。それならば10球中9球入る配置を全てポケット出来るようにすることの方がはるかに効率的に上達出来ると考えています。



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