たまには日記以外のビリヤードネタなど…
ビリヤードで問題になることのひとつに「ラックを組む」というのがあります。一般に良く使われているのがトライアングル
ラックを使って立てる方法ですが、コツも要りますしラックの形状などによりぴったり付かない場合もしばしば…
ルール上はすべてのボールを密着させて立てるとなっていますが難しいのが現状です。そして、それによりトラブルに
なった事例もかなりあるようです。
そこで登場したのがスポットラックです。ボールをポイントに置くだけなので比較的簡単に精度の高いラックを組む
ことが可能です。しかし、これも万能ではありません。ブレイクをしているうちに段々ずれてしまうので頻繁に修正を
しないといけません。しかも正確な位置にシールを張るのは結構難しく時間もかかります。
最近ではビリヤード雑誌CUE’Sでも紹介されていたソリッドラックシートというものがあります。先月のSIBCの
練習会に会長が持って来ていたので使ってみましたが、確かにきれいに組めます。携帯も可能ですしとても
良い商品だと思うのですがやはり万能ではありません。ひとつはナインボールしか使えないということですね。他の
ゲーム用も開発されるでしょうが、現在はナインボール用だけのようです。そして、密着させることは出来るけれど
テーブルに対して水平、垂直に置くことが困難ということがあります。
すなわち、ラックを斜めに立ててしまうことがありそれは人によってもしくは毎回違う角度のラックを組むということに
なります。スポットラックならばスポットが張ってあるのでそのようなことは起きません。
では、その2つの欠点を補う方法はないのか?と言うことでとあるビリヤードSNSで簡易ソリッドシートとも呼べる
ものを作成している方が居たのでそれをヒントに俺がオリジナルで作成してみることにしました。
それが今回ご紹介するテープラックです。まずは完成形をご覧に入れましょう。
要はソリッドシートをテープで直接テーブルに張ってしまおうという発想です。スポットラックとの合わせ技みたいな
感じでしょうか?
この方法により、ナインボール、テンボール、ボーラード、ローテーション、14-1、エイトボールなどの競技に
対応することが可能です。ちょっとコツは要りますがセブンボールも一応原理的には可能なはずです。
これだけテープがあるとプレーへの影響が心配かと思いますが、スポットラック同様に止まり際などに多少のヨレ
が出てしまうことがありますが、実際のプレーにはほとんど影響しませんでした。
このテープラックのメリットデメリットは以下のとおりです。
メリット
・各種ゲームに対応できる
・メンテナンスが容易
・費用が安い
デメリット
・ラックを立てるのに多少のコツが必要
・テープ付近で止まる球の軌道が変わることがある
・お店の協力が必要
デメリットに関して言えば立てるコツということでは慣れが一番だと思いますが、スポットのように決まった場所に
ボールを置くというのではなく、先頭のボールの位置を決めたらラックの形にボールをならべて周りから軽く押す
ようにするとうまく立つようです。その点はソリッドシートのコツとほぼ同様ですね。
テーブルに直接貼る訳ですからお店やお客さんに理解が必要となると思います。よく検討してから実施するように
してください。セブンの1番テーブルはLIVE中継しているときがあるので実際のラックの模様やばらけ方等を
観て頂いてから実施しても良いかもしれませんね。
さてさて、では実際の作成方法に移りましょう。
用意するもの
・カッティングシート(38cm幅)・・・1mで500円くらいから大型文具店等で入手可能です。
1台に必要なのは2.5cmなので1mあれば40台に貼ることが可能です
・定規・・・・長めの物が良いと思います。(40cmくらい?)
・カッター
・台紙・・・・ここからダウンロードしてプリンタで印刷してお使いください。→台紙PDF形式です。
・ボールペン
1.まずカッティングシートを5mm幅にカッターで切ります。全部で5本必要です。
2.台紙を印刷しそれぞれの頂点部分を黒塗り部分をカッターで切り落とします。
3.台紙をテーブルに水平、垂直方向をしっかりと決めた上で置き、2で切り取った穴の頂点になる部分から
テーブルにボールペン等でマーキングします。
4.マーカーが内側になるように左右のテープを貼ります。
5.やはりマーカーが内側になるように真ん中の横のテープを貼ります。
6.ナインボール用の斜めのラインをマーカーを内側になるように貼ります。
7.下のラインをやはりマーカーを内側にするようにして貼ります。
8.ここで一度ボールを置いてきちんと立つかを確認します。浮いているところがあればテープの位置を調整
するようにします。
9.きちんと立つことが確認できたら余分な部分をカッターでカットします。ラシャを傷つけないようにテープの端を
持ち上げながらやると上手く行きます。
10.完成!!!
ちなみにナインボールの場合はこんな感じです。
実験に中央から極軽く撞いて左右の散らばりを検証してみました。
完全な対称という訳ではないですが、(密着以外にテーブルの癖や、俺のショット精度なんかも関係していると
思われます。)左右のウィングボールはほぼ同じところに止まり、9番はラック中央から動かず、一番後ろにある
3番はそのまま真後ろ方向に転がったのが分かります。
さらに10ボール(ボーラード)でも同様にラック及び検証…
見事なまでの左右対称です。毎回こんな感じでブレイク出来たらボーラードでパーフェクト出せちゃうかも?
最後に15個で検証
完全な対称とまではいかないですが、かなりバランスの取れたばらけ方になってます。14-1なんかをやるときは
ラックの位置を確認しなくて済むなんてメリットもあるかもしれませんね。
メンテナンスについて…
スポットと違いテープを貼るだけなのでずれて来た場合にもテープを剥がして貼りなおすだけで大丈夫です。
慣れにもよりますが、カッティングシートを切り施工が全て完了するまでに10分程度あれば出来ます。
最後にお決まりですが注意事項です。作業はテーブルにマークしたりカッターを使う場面もありますので施工に
関しては自己責任でお願いします。また、テーブルの癖などにより全てのテーブルで有効な方法であると実証
された訳ではありませんのでご了承ください。
公認の方法ではありませんので公式戦を行うようなテーブルに施工する場合には主催者にルール確認などを
きちんと行うようにしてください。
その他、この作業により発生したすべての事柄を保障は致しかねます。前述のように自己責任に於いて施工
されますようにお願いいたします。
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