長い一日

今日はママの手術当日です。不安なので出来るだけ早く来て欲しいと言われていたので午後の2番目の手術の
予定なのに午前11時には病室に居ました。なかなかママと二人で話しをする機会もないですし、手術の話しばかり
していたらママも気が滅入ると思って極力その話題を避けながらいっぱい話をしました。
お昼頃にお義母さんがお見舞いに来てくれて少し話をします。手術の予定時間は前の手術の終了時間に左右
されますが、早くて3時半、遅いと4時半くらいから開始と聞いてました。
お義母さんには匠太を見てもらわないといけないですし、手術中になにか緊急の事態が起きた場合慌てないように
実母にも今日は応援要請。手術中は待合に居てもらうことになってました。
実母が3時半くらいに到着。手術に行った隣のベッドの患者さんはまだ帰って来ません…
結局4時半くらいに呼び出しがあり5時からの手術開始が決定しました。時間は早ければ1時間、ひょっとすると
3時間くらいかかるかもしれないとのことでした。
時間になり手術室の前までママと一緒に行きます。ママは点滴ぶら下げたまま歩いて手術室へ。看護士さんに
「旦那さんは待合室でお待ちください」と促され待合に…
心配ではあるけど何も出来ないですし、いつ呼び出しがあるか判らないのでママに時間を潰すのによかろうと
俺が差し入れたハリーポッターの本を読み始めます。実はこのハリーポッターはママと一緒にDVDを見たもので
数少ない一緒に観た作品なんですよね。
DVDでの映像を思い出しながらページをめくっていると時計は6時を回っています。最低予定時間の1時間を
経過しました。まだ、動きはありません。
6時半頃、看護士の方から手術室の方へ行くように言われます。「ひょっとして終ったかな?だったら良いな」と
思い手術室前の待合室に。ほどなく執刀医の先生から手術控え室に入るように言われ中に入って現状の
説明を受けます。
「一度、ここで手術を終えて再度手術をするか、術式を切り替えて続行するかを選択してください」とのこと…
術式変更は事前説明でも可能性が高いとされていたのでママもその覚悟で手術に望んだはずです。
手術が終ってママに「もう一度手術があるんだ」とはとても言えません…「術式変更で続行してください」と
お願いすると先生は笑顔で「判りました。大丈夫ですよ。お時間の方は1時間半くらいを予定しています」と
告げて手術室に消えます。
待合に戻り実母に現状を報告し、ママの実家に電話をして経過を報告。実母は目処がついたこともあるので
7時過ぎに帰宅。ここからは終るまで延々とハリーポッターを読み続け…
終了予定の8時になっても声が掛かりません。8時半になりようやく声が掛かります。看護士の方も夜勤チームに
代わっていたようでさっきまでの方とは違うからからお声がけ…
さっきと同じように手術室前で待ちます。5分くらい待っていたんですが以上に長く感じましたね。控え室の扉が
開いて先生に呼ばれます。先生の一言目は「時間はかかりましたが無事終りました。病巣は完全に切除して
再手術の必要はありません」とのことです。ほっとして先生にお礼を言うとニコやかに「良かったですね」と言って
頂きました。
その後、控え室で除去された病巣を見せて頂きながらパネルを使って詳しい手術経過のお話しを頂いて、
「病室に戻って少し落ち着かれたら面会していってあげてください」と告げられまた手術室へと消えて行きました。
誰もいなくなった控え室で手術室の方に感謝を込めて一礼し待合に戻ります。
ママの実家と俺の実家にそれぞれ無事終了したことを電話連絡し、待つこと5分くらいですかね?看護士の
方から「旦那さん入室されて結構ですよ」とのお声がけ。
まだ寝ているママの顔を見ながら「がんばったね。無事終ったよ」と小声で報告。あとは目覚めるまでじっと椅子で
座っているつもりでした。するとほどなく麻酔から覚めたママが俺に気付きます。
最初の一言は声がかすれて聞き取れなかったんですが、次に聞こえたのは「腰が痛い…」って開けたのお腹じゃん。
お腹も痛いけど腰が辛いとのこと。同じ体勢で4時間も居たんですから当然ですが…
早速、ナースコールで看護士の方に来て頂きポジションの変更をしてもらいます。少しは楽になったようです。
その後、手術は成功したことなどを伝えしばらく話しをしていると一緒に手術に携わって頂いた部長先生が来て
くださり、「執刀医の先生が本当に丁寧に処置したので大丈夫ですよ。よかったですね」と声をかけて頂きました。
さらに、執刀医の先生も術着から普段の白衣に着替えて登場。「詳しい話はまたしますが、無事終りましたよ」
と声をかけてくれました。
10分くらい話をしてましたかね?「まだ居ようか?」と尋ねると「もう少し居て」と言うのでさらに10分ほど傍らに
座っていました。ママから「匠太も気になるし、パパもお腹空いたでしょ?明日、来てくれる?」との言葉をきっかけに
「明日来るからね。今日は帰るけどゆっくり休んでね。お疲れ様」と声をかけ病室を後にします。
ママの実家に行き、遅めの夕食をご馳走になり匠太と少し遊んで寝床に付きます。久しぶりに一緒に寝れるのが
嬉しいらしく「パパ、お話ししようよ」と言うことで「何が好き?」って話題で盛り上がります。
匠太はパパとママとメロンパンと緑色が好きだって言ってました。
その後、今日あったことを匠太に判るように説明します。「ママは今日とっても痛い治療をしていっぱい我慢した
からもうすぐ治っておうちに帰ってくるよ。わかるかな?」
「ママがんばったんだね。わかる。いつ帰って来るの?」
「あと木曜日が2回来たらだよ」
「そっかぁ。今日は月曜日で、明日は火曜日で…」と言いながら眠りに付きました。匠太なりに何かを感じて
緊張していたんでしょうね。
その後、居間に戻ってお義父さん、お義母さんと今日の報告も兼ねてビールで乾杯。寝床に付いて匠太の
横顔を見ながらこんどは俺も就寝。
長い一日が終わりました。何はともあれ無事に全て終ってほっとしました。あとはママの回復を待って退院の日を
指折り数えるだけですね。

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