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コーチング

今日は土曜で匠太は幼稚園がお休み。俺も昼にPCの授業がなかったのでちょこっと時間を取って走る
練習をしてみることに…

やっぱり幼稚園生とかって単純に結果の出る「走るのが速い」とか言うのに憧れるらしいです。匠太は
まぁ、同じ幼稚園の中では鈍足に分類されるでしょうね。ただ、練習しているとドンドン走り方は良くなって
ますし、なにせ2月生まれですからね。4月生まれの子とはほぼ1年体型も違う訳である程度無理ない
話だとは思うんですけどね。

小学校低学年のときにはドンくさくていじめられっ子だった俺は4月生まれですからねぇ。始末に終えん。
まぁ、高学年からはクラスの中盤くらいで走れたし、高校時代には運動部の中でも速い方だったと記憶
してますので、今どうこうはあまり関係ないと思ってますけどね。

相手は幼稚園生ですから鍛えるのが目的ではないんです。怪我をしない正しい走り方をすることで結果
スピードが上がれば良しという感じですね。目標がないと張り合いもなくなるので一応タイム計測はして
います。これによって客観的に自分が速くなっていることを自覚し自信を持つことも大切ですからね。

準備運動とダッシュの後の整理体操、総括的な整理体操は欠かさずやらせてます。むしろこっちの方が
大事だと思いますからね。でも、匠太はダッシュの記録が気になる訳です。まぁ、それで構わないですが
スポーツをするためには準備と実践そしてアフターフォローが全てなければいけないことをこのことを
通じて理解して貰えれば速くなるならないは限界まで行けば体質的なものにもよると思いますので
無理はさせてないつもりです。(いくら鍛えてもボルトより速くなることはないでしょうからね)

これと似たようなことがビリヤードにも言えます。

練習をする際には必ず目的なり目標を設けるようにします。そしてそれを達成する為に事前に確認すべき
内容と練習後の確認作業を含めた準備運動とアフターフォローが必要になります。

俺は練習を指導することがありますが、その人のレベルに合った内容を具体的にアドバイスするように
しているつもりです。目標は既に出来ることでは意味がありませんから少し高めに設定することが多い
ように思いますが、その時点の実力では目標に対するイメージや効果が具体的に理解出来ない場合も
ままあります。初心者からC級くらいまでならば短期目標を達成させる為のプログラムを必要としますが
B級以上になれば、長期にわたる練習課題のようなものを与えることも少なくありません。そしてその
意味が分かるようになるのは半年かかるか1年かかるかそれ以上かもしれないことさえあります。

このことで俺は2つの事柄を思い出します。

ひとつは俺がA級に上がりたての頃、師匠のプロと会話していたときの話しです。

どんな内容だったか忘れましたが、師匠と相撞きを終えてカウンターでアドバイスを貰っていたときでした。
自分なりの考えを伝え、師匠がそれに対するヒントをくれると言った問答を相撞き後に毎回やっていた
訳ですが、たまたまそこに居合わせたB級の人が会話に割り込んで来ました。B級と言ってもA級昇格
したての俺にとってはあまりレベル差を感じる人ではありませんでした。

「分かってない奴が口を挟むな!」

師匠が一喝したんですよね。俺はそんなこと言われたことないし、実力も大して変わらないのにと思って
いたんですが、後にそのことを聞いたときの師匠の説明はこうでした。

「たいしは今、A級としてやらなければいけないことを理解しようとしているところで、彼はA級に昇格する
ためにやらなければいけないことがまだあるんだ。おのずと練習方法や考え方も違っていないといけない。
そのときにやらなければいけないことをやらないで背伸びした練習をしても意味がないんだ。向上心は
買うんだけど、以前からそういう傾向が見られたからね。ちょっと怒ったんだよ」

ってな内容だったと思います。俺にはそのときは???でしたが、教える立場になってよく分かります。
別に俺の指導に従っておけば良いということではないんです。それぞれ練習の方法や考え方が異なって
いても構わない。でも、「今はまだそれで良い」というようなことや、「この部分をもっと鍛えれば良い」と
言ったアドバイスはその人の実力、課題等を俺なりに解釈してしているつもりです。ということは必然的に
同じような実力の人でも全く逆のアドバイスをすることもありますし、ましてクラスが違えば要求する内容も
考え方も違って来る訳です。

最近こんなことがありました。以前の常連さんがふらりと現れ久しぶりに撞いたのですが、ゲームが終わり
感想戦をしていると…

「俺、最近ようやくたいしさんの言ってたことが分かるようになった気がしますよ。」

当時彼は若くて伸び盛り。俺としては良い勝負をしていると思ってましたが、まだまだ甘いところもあり
アドバイスが欲しいと言われるとその辺のことを指摘していましたが…

「そんなことはどうでも良いからもっと技術的な欠点を指摘して欲しい」とか
「なぜたいしさんに勝てないのか分からない」

なんてことを良く言ってました。まぁ、ちょっと生意気な感じでカチンと来ることがなかった訳ではない
ですが、性格、若さ、性格的なものもあるでしょうからね。あまり意に介さずにいたんですけどね。

技術的な欠点を潰そうと苦悶の表情を浮かべて練習していた彼が楽しそうにリズミカルにテーブルに
向かう姿を見て「変わったなぁ。もう勝てないかもしれないな」と思ったものです。

そして彼は続けて言いました。

「まだまだ、敵わないですけどビリヤードが最近また楽しいんですよ。」

そう、もう君は教える立場。俺と対等に切磋琢磨して行く存在。良いプレーヤーになったね。

何度も書いてますが、教えることと自分が出来ることは違うんです。ましてやこの業界には教え魔が
わんさかといます。それが悪いことではないです。ビリヤード普及のための一助になっている側面も
否定出来ません。でも正しいコーチングを受けれる環境がもっとあれば良いのにと常々思いますね。

俺は初心者に教えるときには出来るだけ具体的な課題や練習方法、時には見本を見せながらという
形にしていますが、中級者以上にはプレーに対する考え方や事例などを中心に抽象的な課題を出し
自分で解決してもらう方法に切り替えます。

教えるということは俺のコピーを作ることじゃないですからね。その人に合ったスタイル考え方というのは
自分で考えて導き出さなければ解決しません。その為のヒントはいくらでも出しますけどね。

だから、俺は滅多にプレーヤーに「ああすれば良い、こうすれば良い」と言った声がけをしません。逆に
聞かれればどんなことでも俺の知ってる限りの話しはします。

そして普段のプレーでは俺が見本となるようにプレーだけでなくマナーやルールなどにも細心の注意を
払って全力でプレーします。初心者でも上級者でも関係なく全力です。それが相手に対する敬意だと
思いますし、相手をリスペクト出来ないというのはスポーツマンシップにも反しますからね。

まだまだ書き足りないけど長くなったからこの辺にしましょうかね?

今日は常連さんと14−1を2回ほど。最近50−40では10フレームの中盤で上がってしまうことも多く
なって来たので今日から60−50で対戦です。2戦とも前回までの持ち点50は越えましたが残念ながら
60には届かずドロー。この辺をきっちり上がって行けるようになりたいですね。

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2009年11月15日 13:17に投稿されたエントリーのページです。

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